Dong Nai気象庁の予報により、今年の干ばつが早く始まり、長続きするという事である。それに対して、Tan Phu県は対応策を講じて農業用水の確保を図る
Tan Phu県全体で農地面積は9,000ヘクタールであり、主には米の生産向けである。灌漑施設による交代供給、運河システムの監視、改造、水位の変化の監視に加えて、干ばつの発生リスクの高い地方への給水を各給水ステーションにバックアップを要請し、給水の確保を図る。
干ばつ防止策の策定
Dong Nai気象庁の予報によると、今年の降水量が少なく、平均気温が前年より高いため、Tan Phu県のいくつかのエリアにおいて給水不足が発生する可能性がある。そういう状況から、Tan Phu県が調査を行い、干ばつ発生リスクの高い地方を特定し、絞り込んだ。それは、Phu Binh町にあるNam Sao給水場(210ヘクタールへの給水)、Dong Hiepダム(800ヘクタールへの給水)、Dac Lua町のA5組、9組、10組、11組の給水場(420ヘクタールへの給水)及びTa Lai町Vam Ho村の給水場(50ヘクタールへの給水)の6つである。現時点では、給水不足でバックアップが必要なのはNam Sao給水場のみであり、残りはまだ対応可能な状況である。
Phu Binh町のNam Sao給水場にバックアップするために、Ben Thuyenポンプステーションは24時間稼働している
しかし、給水不足を防ぐために、Tan Phu県人民委員会及びDong Nai灌漑会社は、予め対応策を策定している。従いまして、既存の灌漑施設の浚渫・改造とともに、他のバックアップ体制を構築している。Ben Thuyenポンプステーションを有効活用しNam Sao給水場へのバックアップと同時に、Da Ton湖から給水可能な施設の整備のよりLa U村(Phu Binh町)の50ヘクタールへの給水を図り、Dong Hiepダムにおいて暫定ポンプステーションを3か所追加設置するなど他の対策も講じている。
給水確保への取り組みとともに、農民への生産再構築も呼び掛けている。Tan Phu県の人民副委員長Nguyen Huu Ky氏によると、米の生産は地位の低くて給水しやすいエリアを選び、地位の高くて給水困難なエリアはトウモロコシや野菜や豆など干ばつに強い作物を生産するように工夫する事を呼び掛けている。予備案も準備しておきながら、各灌漑会社に対して、給水確保可能な調節も要請していると同氏が述べた。
農地までの給水
Nam Sao農地(Tan Phu県、Phu Binh町)は早くから干ばつが始まっている。2月頭から干ばつが始まったため、散水確保は農民により懸念されている。
Nam Sao農地の面積は210ヘクタールであり、通常はDong Nai灌漑会社管轄のNam Saoダムから給水されていた。しかし、今年頭からダムの水が少なくなったため、管轄会社は浚渫を行い、Ben Thuyenポンプステーション(Tan Phu人民委員会による管轄)から送水し、Nam Sao農地への給水を確保する。
干ばつ農地への送水ポンプ
Ben Thuyenポンプステーションを管理しているTran Hoang Ha氏によると、今年の乾期が早く始まるため、当所はDong Nai灌漑会社と協力し、24時間体制でNam Sao農地に送水し、210/160ヘクタールへの給水負荷を減らす事ができる。この負荷を負うために、Ben Thuyenポンプステーションは通常(150ヘクタールへの給水)の倍の稼働で対応しなければなならず、収穫(3月末)までの70~80日間で継続する事。農地まで送水するために、中間ポンプを設置し、各農地近接の溝まで送水してから田圃に繋げる。
Ben Thuyen農民組合の組合長であるDuong Quoc Tri氏は、5ヘクタールの米を生産している。Tri氏によると、ポンプステーションは24時間稼働しているため、農民たちは交代でポンプを監視、農地を見回りして、給水確保を努力している。Nam Sao農地は2019年からも干ばつが発生した。しかし去年は初めてなので経験が不足して対応が遅れた。今年は、早期対応により、散水が確保され、農業生産に影響がなくて皆が安心しているとのことである。
Phan Anh