循環型農業:ごみを金に変える

水曜日 - 09/03/2022 14:39
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閉鎖的な生産システムを備えた農業分野の循環経済モデルでは、農業廃棄物が他の生産プロセスの投入材料となり、製品の価値を高め、環境への排出量を最小限に抑える事が出来、注目を集めている新しい方法である。

Dong Naiには、このモデルを効果的に適用し、生産の付加価値を高めている多くの企業や協同組合がある。

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国際大学の講師である科学者が、Trong Ducカカオ株式会社Dinh Quan

カカオ農を見学している。

撮影者:B. Nguyen

グリーン生産

クリーンな農産物の生産と消費を結びつけるThanh Binh協同組合(Trang Bom)は、輸出用の乾燥バナナの樹皮の生産モデルで循環型農業へ参加する先駆者である。以前は、バナナを収穫した後、バナナの木を伐採するために人を雇ってお金を費やさなければならなかったが、現在は新鮮なバナナの木を直接販売するか、樹皮を乾燥させて協同組合に販売し、年間に当り数千万ドンを稼ぐことができる。協同組合の乾燥バナナ樹皮はヨーロッパ、日本に輸出されている。乾燥したバナナ樹皮からの繊維は、世界市場で人気のある多くの環境に優しい手工芸品の原料になるため、今後の開発可能性はまだ大きいと期待されている。クリーンな農産物の生産及び消費のThanh Binh協同組合のLy Minh Hung会長によると、同協同組合はバナナの価値を高めるためにほとんどの部分を活かし、閉鎖的な加工プロセスに向けてバナナからの加工製品を多様化し続けている。これは、Covid-19の影響にも関わらず協同組合が生産を安定させ、成長させる秘訣である。

長年にわたり、Trong Ducカカオ株式会社Dinh Quan)は、農業廃棄物を原材料とした有名な加工製品を発売していた。言及する最もユニークな製品は、従来の廃棄物であるカカオ果実の果肉から醸造されたカカオワインである。カカオの皮も粉砕され、カカオ農園用の再利用可能な有機肥料に堆肥化される。その結果、生産および加工工程からの環境への排出量を大幅に削減出来ている。

2021年に同社は、国際大学(ベトナムホーチミン市国立大学)の講師である科学者グループと協力して、ココア廃棄物からの高品質で経済的価値の高い食品および飲料の加工に関する研究プロジェクトを実施していた。開発中の新しい製品は、カカオ皮パウダーを使用したクッキーと油揚げ無しのインスタントラーメン、カカオパウダーからのベジタリアンソーセージとペクチン、カカオの果肉からの栄養飲み物などである。これらの製品の特長は、カカオフルーツの皮や果肉などの従来廃棄される部分を原材料として使用し、栄養価のある食品である。

Trong Ducカカオ株式会社Dang Truong Khanh社長は、企業と科学者の協力プログラムは、深層加工への投資強化とカカオ製品の多様化に焦点を当てる同社の方針の一つの活動であると述べた。特に、高価値食品は、製造工程での廃棄物である原材料から加工され、カカオの木に付加価値を与え、環境保護に貢献している。

 

将来のトレンド

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新農業地域であるXuan Loc県の家畜廃棄物からの有機肥料の生産

撮影者:B. Nguyen

 

農業に関する多くの会議やセミナーで、農業農村開発省Le Minh Hoan大臣は、農業産業の再構築は、商品の生産規模を拡大したり、縮小したりするだけでなく、価値を最大化し、ローカルとグローバルの両方での価値を高め、単一分野の開発の考え方から、価値のある統合されたアプローチに移行する必要があると強調した。

上記のオリエンテーションは、省内の農家や農業企業によって効果的に実行されている。しかし、これらのモデルを継続して広げるには、支援施策を同時に行い、循環型農業を発展させるためのエコシステムを作成する必要がある。

Huy Long AnMy Binh株式会社(Long AnDuc Hue県)は、自社ブランドのバナナを日本の大手スーパーマーケットに輸出した最初のベトナム企業である。これを実現するために、同社は十何年年前から、数百ヘクタールのバナナを栽培する農場に投資し、肥料を植物用の有機肥料に加工する閉鎖的な形式で数千頭の牛を飼育していた。収穫後に残ったバナナの茎やバナナの葉が動物飼料に加工される。農業廃棄物や副産物はすべてリサイクルされているため、環境に廃棄物が排出されていない。

「ニューノーマル」状況での生産回復に伴う循環型経済について、ベトナムの「バナナの王様」、「エビの王様」、「牛の王様」として知られているHuy Long An株式会社のVo Quan Huy社長は、すべての投入コストが高すぎるため、農業を迅速に復帰させることは困難だと述べた。感染流行期間後、ほとんどの農家はまだ銀行ローンを抱えている。パンデミックの影響により、農家の資金の循環も中断されている。政府は、生産の回復を促進するために、新しい方法で資本支援を展開する必要がある。農産物の輸出基準及び安定な消費を確保する為に農業農村開発省は、協同組合が植栽地の適切な分散、基準認定、会員へのトレサビリティ及び消費連携の教育に於いて重要な役割を果たせるように農業協同組合の品質を向上させる育成を迅速に実施する必要がある。

ベトナムの小売業のスタートアップ支援および技術移転センターのHoang Son Cong所長は、「Vinh Cuu県有機農産物透明性プロジェクト」に参加しているメンバーであり、多くの印象的な農業スタートアップのプロジェクトを持っている。Cong氏によると、農家は、肥料、農薬、土地の賃借料、人件費、そして害虫や災害のリスクなど多くのプレッシャーを受けている。農家の投資コストを最小限に抑える方法を見つけたいと考えている。最初には、肥料と化学農薬を、農家が低コストで自分たちで作れる有機肥料と農薬に置き換える。さらに、農家は強力な地元の農産物を加工する事で付加価値を2倍や何倍を生み出す考え方を持つ必要がある。実際に、多くの農家や協同組合は、従来廃棄されていた材料を使ってグレープフルーツ皮のドライスナック、グレープフルーツ皮の茶、グレープフルーツオイル、グレープフルーツオイルからのヘアトリートメント、蜂蜜のグアバティー、ハイビスカスティー等を作っている。

この分野は若者の注目も集めている。国際大学の食品技術部の講師であるLe Ngoc Lieu博士は、再生可能エネルギーに関する研究トピックに対して、ドイツ連邦共和国の教育研究省のグリーンタレント賞を受賞した唯一のベトナム人女性である​。彼女は大学の授業時間外に、高付加価値のある環境に優しい農業製品を作る為に農業廃棄物の活用について研究している。

Le Ngoc Lieu博士は、この研究を選択した理由について、農業産業が大量の廃棄物を発生させ、それが総生産量の7080%も占める場合があると述べた。廃棄された廃棄物は環境に大きな影響を与える可能性があり、多くの貴重な物質が含まれている。彼女の最近の研究プロジェクトはLiege - Gembloux Argo-Bio Tech大学(ベルギー国)との共同研究であり、ドラゴンフルーツからの廃棄物の再利用である。切られたドラゴンフルーツの枝は、バイオ燃料及び生物学的包装の生産に利用される。彼女は同時に、Trong Ducカカオ株式会社(Dinh Quan県)と協力している国際大学の科学者グループに参加し、カカオの廃棄物からの食品や製品に関する多くの研究プロジェクトを実施している。

同氏によると、プラスチック包装は生分解性ではなく、何百年、更に何千円もの間、地面や海に蓄積するため、現在ベトナムだけでなく世界中の差し迫った環境問題となっている。そのため、生物学的包装は環境汚染の軽減に貢献している。消費者の環境保護への意識も高まっている為、各企業が環境にやさしい製品の開発を重視していて、潮流になっている。

                                                                                               Binh Nguyen

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